16人が本棚に入れています
本棚に追加
/120ページ
俺っ神宮寺勝人は今、一人の少女によって追い詰められていた。
理由は単なるカードゲームなのだが、俺はこの時人生でもっとも過酷で残忍なルールを目の当たりにした。
「私のターンを終了します。次は、あなたのターンです」
「ふざけてやがる!?
なんだ今のルールは!?
どう見積もってもおかしすぎる!」
俺は、現状のカードゲームの盤面を前にして少女に抗議する。しかし、少女はしらっとこう言って除けた。
「ルールはルールです。貴方のプレイミスは当然の結果でした」
当然の結果。確かにそうだった。
事実俺はこのカードゲームがどんなルールかを今その場で覚えて手探りでプレイしたのだ。負けるのも当然の結果と言われれば当然だった。
「貴方のターンです。速くプレイしてください」
少女はその綺麗な声で俺にそう言った。
しかし実際の俺の残りライフは2しかなかった。どう見積もってもここから逆転はルール上でも難しかった。
少女のライフはまだ5も残っている。事実上このカードゲームのルールではまだまだ少女は余裕である。
ツマリ俺は少女に対してこのターンまでに致命的なダメージを与えられていないのだ。
最初のコメントを投稿しよう!