プロローグ

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俺っ神宮寺勝人は今、一人の少女によって追い詰められていた。  理由は単なるカードゲームなのだが、俺はこの時人生でもっとも過酷で残忍なルールを目の当たりにした。 「私のターンを終了します。次は、あなたのターンです」 「ふざけてやがる!? なんだ今のルールは!? どう見積もってもおかしすぎる!」  俺は、現状のカードゲームの盤面を前にして少女に抗議する。しかし、少女はしらっとこう言って除けた。 「ルールはルールです。貴方のプレイミスは当然の結果でした」  当然の結果。確かにそうだった。  事実俺はこのカードゲームがどんなルールかを今その場で覚えて手探りでプレイしたのだ。負けるのも当然の結果と言われれば当然だった。 「貴方のターンです。速くプレイしてください」  少女はその綺麗な声で俺にそう言った。  しかし実際の俺の残りライフは2しかなかった。どう見積もってもここから逆転はルール上でも難しかった。  少女のライフはまだ5も残っている。事実上このカードゲームのルールではまだまだ少女は余裕である。  ツマリ俺は少女に対してこのターンまでに致命的なダメージを与えられていないのだ。
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