【白の章】ハジマリ

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 結論、俺はあの日の夜一人の少女によって敗北したのだった。  あの日、神社から家に帰ってから自分の部屋にこもって色々考えた。  何故ああしなかったかとか、何故あそこでこうなったかとか、とにかくあの神社での少女との勝負が頭から離れない。  そして、とうとうその衝動は次の行動へと昇華した。  その悔しさは俺に壁を叩かせていた。  そして机に向かって拳を打ち付けていた。  延々と続くダイパン(台パンチ)カベドン(壁ドンドン)は遂に家中に響き渡ると、親父が俺の部屋に姿を表し振り向き様に俺の左頬にスパンキングビンタ(只のビンタ)を喰らわしたのだった。  そして、俺に罵声を浴びせて親父が俺の部屋を去ると動くのすら嫌になった俺はその垂れた頬のまま平たい布団に掛布も掛けずに突っ伏してシャツと制服ズボンのままで眠りに就いたのだった。  そして現在朝日を浴びて俺は、学校への道を制服姿でスクールバッグ片手に歩いていた。  眠気覚ましに親父が飲んでるブラックコーヒーを居間でイッキ飲みして来たは良いが正直眠い。  寝癖は出る前に脱衣場のシャワーと手グシで融かした。  俺がこんな時間にゴールデンウィーク三日目にして学校へ休日登校しているのには訳がある。
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