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補習のレポート提出である。
正直面倒臭かった。
何より帰宅部の俺にとって休日の学校ほど嫌な気分になる場所はないのだから、さっさと提出して帰りにカードショップに寄ってカードゲーム三昧である。
と、思ってはいたが正直なところ俺の気持ちは他の場所にあった。
後ろから何時もの嫌なロン毛が、スクールバッグとスポーツカバンを肩にぶら下げて駆けてくる。
「よ!カード馬鹿!
今日は何の補習だよ?」
何時ものように嫌みを垂れてきた。
しかし、俺の気持ちは心ここにあらずだった。
「おいおいどうしたんだよ?
ははぁン、まぁた親父さんに一発やられたか!
見事な手形だなぁその左頬」
そんな嫌みを俺の肩を掌(てのひら)でポンポン叩きながら言ってくる。
――スゲェ楽しそうに。
ため息とアクビしか出ないそんな現状に、俺は終始困惑して表情を濁す。
――実に不愉快である。
しかしそんな仁に対して俺は一つ相談を持ち掛けた。
「なぁ、一つ話がある。
部活が終わってからでいい。
後で俺らの教室に来い」
何のこっちゃ?という台詞が浮かんでそうな表情で仁は俺に言った。
「ナンだ!?
お前が珍しく俺に相談なんて雪でも降るか!?
まぁ、頼られたんなら後で行ってやるよ。
で、何の話だよ?」
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