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「へぇー、菖蒲のそう言うとこは詳しいんだなお前」
――ニヤニヤしながら言ってくんなムカツク!
そうこうしながらプレイしていく。
昨日の今日ということもありプレイングはかなりお互いおぼつかないが、ある程度馴れてくると仁も俺もルール通りにゲーム進行できるようになってきていた。
こうしていると、昔小学生の頃に仁と行ったカードゲーム屋のことを思い出す。
あの頃はまだ俺達は親友と呼べる仲だった。
学校が終わると校門から駆け出して外が暗くなるまでカードゲームしてた。
俺には分からない、何故あの頃はこんなにも楽しかったのか。
何故、あの頃のようにはいかないのかが俺には分からなかった。
「うぅン?
どうしたよ?お前の番だぞ?」
仁が不思議なモノを見るような目で俺にそう言った。
気が付いて、俺はその場で仁をあしらった。
「あっあぁ。
別に問題ない。
続けるぞ」
「お前、もうこれで十戦目なんだけどまだやる気か?
俺はそろそろ腹へってきたんだけど。
何か食わねぇ?」
気付けばもう一時を回っていた。確かに腹も減った。
「分かった。今日はこれでいい。
最後に一ついいか?」
俺は仁にそう言って呼び止めた。
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