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店長の声のあとに続くように周りの対戦卓の子供や大人から拍手が湧いた。
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夕方の町並み。
街頭には、帰りを急ぐ人波が見える。
ゴールデンウィーク二日目のカードゲーム地区大会は俺の完全勝利で幕を閉じ、現在俺は春の生ぬるい夕日の中短く切り揃えた髪を汗に濡らしてスクールバッグを肩に掛けて、最近新調したばかりのちょっと大きめの制服姿で家路を急いでいた。
「しっかし優勝者はプロモカード1枚だけってちょっと寂しい話だよなぁ~。
もうちょっとレアなものが欲しいっつーの」
俺がそんな風に腐っていると後ろから声がする。
「よっ!関東のライブラリアン君こと勝人君じゃないか。
こんな所で奇遇ですなぁ」
俺が人生でも二番目にウザイと感じる友人が部活帰りのスポーツバッグを片手に少し伸ばした髪を洗い立てのシャンプーの臭いをさせた制服姿でそこに居た。
彼の名は海道仁(かいどうじん)。俺と同じ中学に通う同級生で俺より背が高く成績優秀スポーツ万能にして容姿もそれなり。クラスでもちょうモテるリア充野郎だ。
しかもカードの腕もそこそこある。
そんなやつが俺と同級生でしかも幼馴染みと来た。後ろから声もかけられるわけだ。
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