16人が本棚に入れています
本棚に追加
「なんだよ。
用がないなら声かけんな別世界の生き物め」
俺がそんな皮肉を奴に言うと奴は何時ものようにこう言って返してきた。
「まぁたカードゲームかぁ?
お前も懲りないねぇ。
親父さんにまた資金没収されるぞ」
「うるせぇよ。
今回はデッキ環境が先月から安定してたし金銭的には助かった。
親父にしばかれる事は当分ねぇよ」
俺がそう言って奴に返すと奴は更に何時ものようにこう言って返してきた。
「そんなこと言ってどうせまだテスト勉強もやってないんだろ?
ゴールデンウィーク明けに俺に土下座してノート借りに来るのが目に見えてますなぁ~」
奴がそう言って俺の頭を人差し指でツンツンしてくる。
――すげぇうざい。けどノートは借りる。
「もういいだろ。
サッさとどっか行け。
所詮俺はカードゲームを極めるしか脳がねぇよ」
そう言って俺が奴の腕を振りほどいて先に行こうとした。
すると、まためんどくさい奴が現れた。
「まぁーちぃーなぁーさぁーぁぁぁあああい!
カツトォォォオオオ!」
そんな、夕暮れに響くサイレンのようなドップラー効果がバツグンに効いた声で一人の女子がウチの学校のスクールバッグと制服姿で駆けてきた。
最初のコメントを投稿しよう!