第1章

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「ばばばばば……! っと、急に何するのさ!」 一瞬怯んだサヤは、両腕を盾にして水の顔への直撃を避ける。 「私とのお風呂、何がそんなに楽しいのさ」 ユウは水をかけるのを止める。 「シェアしているんだから、お風呂意外でも一緒じゃん」 ユウは茶色いショートヘアの前髪を指でどかす。サヤは両腕を下ろした。 「だってさ、好きな人といる時間って、なんだって楽しくない?」 ユウの手が止まる。若干うつむき、前髪が垂れてくるのも直さない。 「な、なんでそう言うこと、堂々と言えるのさ……」 声が震え、顔が熱くなるのを感じる。対するサヤは少しだけ頬を染めているが、さほど恥ずかしがってはいない。 「別に他の人が聞いているわけでもないのに、なんでそんなに恥ずかしがっているのさ」 「だ、だって面と向かって言われたら……えと、その……」 ユウの落ち着きがなくなっていく。 「ユウは乙女だなぁ……。そんな可愛いところも、大好きだけどね」 ユウは両手で真っ赤になった顔を覆い、何の意味があるのか体をくねらせる。サヤは楽しそうにその反応を眺める。
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