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「ばばばばば……! っと、急に何するのさ!」
一瞬怯んだサヤは、両腕を盾にして水の顔への直撃を避ける。
「私とのお風呂、何がそんなに楽しいのさ」
ユウは水をかけるのを止める。
「シェアしているんだから、お風呂意外でも一緒じゃん」
ユウは茶色いショートヘアの前髪を指でどかす。サヤは両腕を下ろした。
「だってさ、好きな人といる時間って、なんだって楽しくない?」
ユウの手が止まる。若干うつむき、前髪が垂れてくるのも直さない。
「な、なんでそう言うこと、堂々と言えるのさ……」
声が震え、顔が熱くなるのを感じる。対するサヤは少しだけ頬を染めているが、さほど恥ずかしがってはいない。
「別に他の人が聞いているわけでもないのに、なんでそんなに恥ずかしがっているのさ」
「だ、だって面と向かって言われたら……えと、その……」
ユウの落ち着きがなくなっていく。
「ユウは乙女だなぁ……。そんな可愛いところも、大好きだけどね」
ユウは両手で真っ赤になった顔を覆い、何の意味があるのか体をくねらせる。サヤは楽しそうにその反応を眺める。
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