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「ほら、ユウ。さっさと体洗っちゃいなよ」
「も、もう言わない?」
「うん。でも、高校じゃ不良っぽいって言われるユウが、こんなに乙女な姿見せてくれるの、嬉しいな」
洗面器で殴られた。地味な痛みが続く。
「ごめん、本当に言わないから」
まだ顔が赤いユウは、洗面器を置き、体を洗い始める。サヤはしばらくユウを見てから、湯船を出る。
「はい」
「ありがと」
サヤはシャンプーのボトルを受け取り、浴槽の縁に腰かけると頭を洗い始めた。
無言の、しかしどことなく楽しい雰囲気が続き、洗い終わったユウが先に風呂を出る。
「夕飯は何食べたい?」
「ユウ」
「以外で」
「の愛情いっぱいのお弁当」
「それは明日学校の昼食でお願いね」
ドアの向こうから不満の声が聞こえる。
「冷凍しておいた餃子でいい?」
「いいよー」
ユウは大ざっぱに体を拭くと、キッチンに行き、冷凍庫から手作り餃子を出しておく。まとめて炊いて一食分に小分けしておいたご飯も一緒に二つ取り出した。
脱衣所に戻り、丁寧に体を拭いてから服を着る。
サヤもすぐにお風呂から出てきた。
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