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相手はどんな女なんだろう。
リアルでは絶対に会えない相手。んなワケない、上手いことやれば会えないことはない。
会えば、小説のネタになりそうなドラマが待っているかも。
そんな小さな期待も持った。
だが、実際に会ってみたところで、凪人が咲和に対して何か恋愛感情のようなものを抱くことはなかった。
胸もとの開いた白いカットソー、ひざ丈のレモン色のスカートに、素足にシルバーのミュール。美容院に行ったばかりだと思われるツヤツヤしたロングヘアは緩く巻いてある。
最大限「女」を匂わせる格好で現れ、潤んだ瞳で凪人を見つめ、思わせぶりなことばかりを口にし、さりげなくボディタッチをしてくる。
咲和を冷静に観察していて、凪人はしだいに不愉快になっていった。
ただの欲求不満かよ。
そんな皮肉を込めて、ホテルの立ち並ぶ一角に咲和を連れて行ったのだ。
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