第1章

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 うすみどりのジャンパーの下は、レモン色のタンクトップ一枚きりだった。いつも薄着なので寒くないと言うのは本当らしかった。乳首が棘のようにくっきりとしていた。髪を撫でたときに上げた腕の、白い腋の下を間近に見て文山は眩暈を感じた。  ふうと声を出しながら溜息をつき、タチヤーナは文山と並んですわったベッドの上でばさりと横になった。文山は自分の視線をかわされたと思った。しかしタチヤーナはいつものように嫌がるそぶりはせず、気付かない振りどころか誘うように、あたし寝るの大好きと言って目を閉じ、膝を立てて足をベッドに乗せた。スカートの下からタチヤーナの白い下着が覗いた。それとほとんど同時に、その白に黄ばんだところを見つけ、文山は我を忘れるほど緊張した。ふとタチヤーナの顔に目をやると、タチヤーナは文山のほうをまっすぐに見つめていた。文山は青くなった。却ってタチヤーナが驚いた表情をした。二人の視線がもう一度しっかりと合ったとき、あのねと言ってタチヤーナは下着をするりと脱いでしまった。そして脚を上げたまま、女のパンツはどうしても汚れるのだと言った。白い肌にできたばかりの傷があるように文山には見えた。                                                   
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