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「本当は引き下がる気だったんだよ?一歌と間違いを起こすくらいなら、水美さんみたいなリア充女子と付き合う方が怜ちゃんにとってステータスだしね」
俺に跨ったまま話す千佳に、俺は応える言葉も術も持っていなかった。
だって口塞がれてるし。
「でもさ……据え膳食わぬはなんとやらって言うよね?」
男の恥だろ。
そこボカすなよ。どんなジェンダーフリーだよ。
「ということで、怜ちゃんの耳、いただきまぁす」
耳元で聞こえた甘ったるい声の直後、俺は文字通り耳を疑った。
この耳たぶから外耳の内側をねっとりと這う生暖かい湿った感触は何か。
吐息が耳孔を通り、鼓膜を通過して俺の脊髄をなめるこの快感。
外耳の外内同時に当てられる固い感触。
そして内側に添えられる柔らかいねっとりとした感触。
「どう?きもち……いい?お兄ちゃん」
くちゅくちゅという水音が混じった妖艶な声色は、とても中学生の出すものとは思えない色気を感じさせ、更にとどめの「お兄ちゃん」を食らい、俺の理性はものの十数秒で崩壊した。
「千佳……千佳っ!」
高い高いをした時には羽のように軽く感じた千佳の体だ。
口を塞がれていた手を振り払い、腹の上に乗っかっていた千佳を退かし、逆に押し倒すことは想像以上に容易だった。
突然の攻守交代に、流石の千佳も驚きを隠せない様子。
その珍しく見せるか弱い表情が、更に俺の劣情を煽った。
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