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「と、いうわけだシスコン番長」
人の良い笑顔で小さく手を振る清水さんに聞こえないよう、早坂は俺と肩を組んで顔を近づけた。
「あのミズミズ様の瑞々しい水着姿を拝めるんだぜ?スクール水着じゃなく、プライベートビキニだぜ?」
「いや、おまっ、何言ってんだよ。ビキニかどうかなんて分かんないだろ」
「大丈夫、さっきビキニ買ったって話してたの聞いたから」
これ以上ないほどのドヤ顔を触れそうなほど近づける早坂にバレないよう、俺は頬が緩むのを必死に堪える。
それを察してか面白がってか、早坂は俺を軽く突き飛ばした。
「さーどうするシスコン番長!夏休みをずっと妹と過ごすか、少しだけでも同級生の俺達と過ごすか!」
どうしたことだ。
どうすればいいんだ。
俺が今最も優先すべきことは、一歩も家から出ずに少しでも長くパソコンの前に座っていることだ。
だが、それはそうと俺の本能が告げている。
たまにはクラスメイトとの親睦を深めるのも良いのではないかと。
「ふふふ、あーかさーかくんっ」
思考を巡らせ決断を迷う俺の顔を覗き込むように、早坂が送り込んだ最強の刺客は声をひそめて話しかけた。
「今はなるべく出かけたくないって気持ちは分かるけどさ。やっぱりこういうリアルでのイベントも少しは挟んでおいた方がいいと思うよ。その方が健全だしね」
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