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翌朝…
終人「…さて…と…行こうか…ジロー?」
にゃ~ごぉ♪
荷造りを済ませた終人は…玄関の鍵を閉め…ふと…何気なく…元自宅だった家屋を見上げた…
終人「…今まで…ありがとな…。」
俺が産まれた家…かぁさんと過ごした日々…あの…何気ない日常が…今の俺には懐かしかった…。
終人「じゃあね?…かぁさん…行ってくるよ…。」
…サヨナラとは…
…あえて、告げなかった…。
船着き場で、いつもお世話になった駄菓子屋のバァちゃんと軽く挨拶を終え…
俺は、早々に東島行きの船へ乗り込んだ…。
甲板から…徐々に西島は離れていく景色を眺めると…少しだけ心細く感じた…。
終人「真理の奴…結局見送りにも来なかったな~。やっぱ、まだ怒ってんのかな~?…
…まぁ…自業自得か…。」
船で遅い朝食を済ませると、東島が見えてきた。
終人「そういや~、いつぶりだったかな?かぁさんがまだいた頃は…よく親父と三人で夏に海水浴に来てたけど…」
島に着くと、東島の島長であり参条寺の当主でもある
「参条 龍次」さんが出迎えてくれた。
島長「よく来たな~終黄のせがれ。
まぁ、なんもない島だがゆっくり腰を落ち着かせるといい。
この島では、誰もお前を責めたりするものもおらん…安心せい…。」
終人「はい…ありがとうございます。
宜しく…お願いします。」
「宜しくお願いします♪おじさん。」
島長さんは、軽く島を案内しながら家まで送ってくれた。
島長「雑貨屋なんかは、港近くの商店街にある。
ここなら大体日用品が揃うはずだ。
お前達の学校は、港から上がったところにある…ここだ…」
終人「東島参条学園…参条って…」
島長「あぁ、ワシが校長を兼任しておる。まぁ、寺の方は行司事がない限り…あまり参拝客も来んからな。」
「へぇ~?結構広いんだね♪」
島長「まぁ、小中高等学じゃからな…
あぁ…明日の朝、ワシの娘を迎えに行かせるから道案内をしてもらうといい。」
終人「あっ!はい、ありがとうございます。」
そこからしばらく坂を上がると、一軒の平屋があった。
島長「さぁ、ここがお前の家だ。まずは休むといい。」
終人「いろいろありがとうございました、島長さん。」
「ありがとう♪」
島長「…またな?」
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