新たな門出

2/3
前へ
/63ページ
次へ
翌朝… 終人「…さて…と…行こうか…ジロー?」 にゃ~ごぉ♪ 荷造りを済ませた終人は…玄関の鍵を閉め…ふと…何気なく…元自宅だった家屋を見上げた… 終人「…今まで…ありがとな…。」 俺が産まれた家…かぁさんと過ごした日々…あの…何気ない日常が…今の俺には懐かしかった…。 終人「じゃあね?…かぁさん…行ってくるよ…。」 …サヨナラとは… …あえて、告げなかった…。 船着き場で、いつもお世話になった駄菓子屋のバァちゃんと軽く挨拶を終え… 俺は、早々に東島行きの船へ乗り込んだ…。 甲板から…徐々に西島は離れていく景色を眺めると…少しだけ心細く感じた…。 終人「真理の奴…結局見送りにも来なかったな~。やっぱ、まだ怒ってんのかな~?… …まぁ…自業自得か…。」 船で遅い朝食を済ませると、東島が見えてきた。 終人「そういや~、いつぶりだったかな?かぁさんがまだいた頃は…よく親父と三人で夏に海水浴に来てたけど…」 島に着くと、東島の島長であり参条寺の当主でもある 「参条 龍次」さんが出迎えてくれた。 島長「よく来たな~終黄のせがれ。 まぁ、なんもない島だがゆっくり腰を落ち着かせるといい。 この島では、誰もお前を責めたりするものもおらん…安心せい…。」 終人「はい…ありがとうございます。 宜しく…お願いします。」 「宜しくお願いします♪おじさん。」 島長さんは、軽く島を案内しながら家まで送ってくれた。 島長「雑貨屋なんかは、港近くの商店街にある。 ここなら大体日用品が揃うはずだ。 お前達の学校は、港から上がったところにある…ここだ…」 終人「東島参条学園…参条って…」 島長「あぁ、ワシが校長を兼任しておる。まぁ、寺の方は行司事がない限り…あまり参拝客も来んからな。」 「へぇ~?結構広いんだね♪」 島長「まぁ、小中高等学じゃからな… あぁ…明日の朝、ワシの娘を迎えに行かせるから道案内をしてもらうといい。」 終人「あっ!はい、ありがとうございます。」 そこからしばらく坂を上がると、一軒の平屋があった。 島長「さぁ、ここがお前の家だ。まずは休むといい。」 終人「いろいろありがとうございました、島長さん。」 「ありがとう♪」 島長「…またな?」
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加