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終人「はぁぁぁぁぁ~…つ…疲れた。
何とか無事にやり過ごせた…。」
真理「ふぇ?なんでシュウちゃんそんなに疲れてるの?」
終人「だ!れ!の!せいだよッ!まったく~!あのあと大変だったんだからなッ!!女子からは、あれこれ真理との事聞かれるし男子からは冷たい目線向けられて、授業中いろんなもん飛んでくるしッ!…」
真理「あら♪良かったじゃない~♪転校初日からモテモテねッ♪」
終人「おまッ!…はぁぁ~…いいよ~もう~…。」
真理「あれ?シュウちゃんどこ行くのぉ~?そっちはお家じゃないよぉ?」
終人「…ほっといてくれ…ちょっと散歩してくる…。」
そういって、終人は自宅と反対方向へ歩いていった。
真理「もうッ!あれくらいで怒らなくても~〃」
終人は何となくブラブラしながら歩むと、だんだん周囲は竹林に囲まれてきた…
終人「…あれ?寺?…あぁ、島長さんのとこか…
…せっかくだし、ちょっと寄ってくか…。」
古びた鳥居をくぐると、すぐ階段があり…しばらく登った先に境内があった。
終人「あ?猫…
そういやぁ~来るとき島長さんが話してたな…
この東島は、猫が神仏に崇められていて…昔から猫は幸福を招くものだから島民達は大切に扱っているって…。」
よく辺りを見てなかったからか、野良猫が多く見受けられる。
終人「まぁ、俺にとっては暮らしやすい島ってわけか…。」
終人は何となく、祭壇の階段に腰掛けた…。
終人「…俺…ここに来て良かったのかな……
真理にまで迷惑かけて…」
…チリーン…
ふと…鈴の音色が聞こえた…。
終人「?…飼い…猫…?」
すぐ近くの足元を見ると…
…一匹の白猫が佇んでいた…。
終人「…薄汚れてる…首輪は有るけど…ずいぶん古そうだ…し…んッ!?」
よく見ると…首輪が皮膚に食い込んでいた。
終人「だッ!?大丈夫か?おまえ!今緩めてやるからな?!」
終人は白猫をひょいッと抱き上げると、大急ぎで首輪を緩めた。
み…ゃあ~…
終人「酷いことを…痛かったろ?…とりあえず…うち来るか?」
ミ…ヤァ…ァ…
そして、終人は白猫を抱え…家路についた…。
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