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なかなか顔を上げないエティアを見て、カンナはそっと腕を回して彼女の肩を抱いた。
嫌がる素振りがないので、これは間違いではないようだと胸を撫で下ろした。
やがてエティアがゆっくりと顔を上げて、そっとカンナに微笑んだ。
「ごめん、驚いたわよね」
「いや、俺は大丈夫だけど…」
カンナはエティアの涙の理由を聞きたかったが、彼女から話すのをじっと待った。
「おばあちゃんの歌声聴いてたら、いろんなこと考えちゃって、止まらなくなっちゃったのよ。…ママはどんな声で、どんな風に歌ったのかなって」
エティアがイヤリングに触れながら静かに言うと、カンナはハッと息を飲んだ。
エティアが幼い頃に両親が亡くなり、ストリートチルドレンだったことは本人から聞いていた。
両親の記憶はほとんど無く、「アイモ」もクレアと同じ様に唯一覚えている両親との思い出。
微かに頭にあった歌詞は曖昧で、正式な歌詞はグレイスから教えてもらっていた。
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