Utopia

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とある高校の、2年4組の窓際の席。 それが、僕の居場所だ。 毎日この席について、授業を受けて、 クラスメイトに話を合わせて笑って、 昼食をとって、また授業を受けて、一人で帰る。 毎日毎日、同じことの繰り返しだ。 クラスの人と適当に話をして、相づちをうって、笑う。 …いや、笑顔を作る。 クラスの中で浮かないための、儀式のようなもの。 そうしてきっと僕は、誰の記憶にも残らずに消えていくのだろう。 それをもはや、怖いとも思わなくなった。 こんな自分は、おかしいのだろうか?
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