第1章

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毎日だりぃ。 何か楽に稼げる仕事ねぇかなぁ? 派遣で働いてるコージは思った。 毎日、違う現場や工場。 だけど、正社員やサラリーマンなんて絶対無理だ。 大学出ても、ヘラヘラ上司に媚び売って、出世の見込みの無い営業なんてやってる奴の気が知れない。 俺は、もっとでかい器がある。 才能もある。 コージは、そう思って毎日生きていた。 「俺、ボーイになろうと思うんだ。そこ、ガールズバーで売り上げ毎日3桁だって」 最近よく会う派遣社員が、昼休み話しかけてきた。 「それで、自分の給料はどうなンすか?」 「40万くらいよ?良くね?」 まさか、ボーイの給料が40万? それは、無いだろう。 上手い話に乗せられたんだろう。 「でも、本当はホストやりてーんだよな。だって、ババァも来るだろうけど、若い女入れ食いじゃん! ま、お前みたいにキシャなイケメンじゃねーからな」 派遣社員の田中と言ったか。 そいつは、笑いだした。 俺が、イケメン? ホスト? 悪くない! やってやろうじゃないか。
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