第1章

8/13
前へ
/13ページ
次へ
「おーい、キング、3番テーブル。シュンのヘルプな」 シュンはトサカ頭だ。 あいつにも客が居るなら、俺なら楽勝だな。 言われた3番テーブルに行き、立て膝ついて挨拶する。 「キングです。宜しくお願いします」 「ぎゃははは!何?キング?面白いね」 ウケた! 「はい!王と書いてキングです。」 間髪入れずにトサカ頭が、香織さんです、と紹介した。 太めな対して可愛げもないバカ女は、座りな、と席を指差す。 「はい」 「体入なんでしょ?あんた面白いからこのままいなよ」 やっぱ、俺様だな! 楽勝だな。ホストなんて余裕だな。 とりあえず、フカフカのソファーに座ると、バカ女は、何を飲むか聞いてきた。 「ボジョレー・ヌーボーで」 頭に詰め込んで来たのは、あとドンペリしかなかった。 高級な酒なんて、飲んだ事無い。 いつも発泡酒だ。 「何コイツ!面白いね!ギャグセンいいよ!」 バカ女は、また大口あけて笑う。 トサカ頭は、困った顔をしている。 「ボジョレー・ヌーボー入れて!」 バカ女がトサカ頭に言う。 「いいんですか?」 「いいからいってんだよ!早くして」 トサカ頭は、席を外してカウンターに注文しに行ったようだ。 とりあえず、タバコ吸うか。 俺様は、底辺の人間じゃないから、パーラメントだ。 カチッ! ふぅーー。 「ちょ..あんた!何タバコ吸ってンの?早く消せや!」 何だ、この怒りよう? あっ、そういえば、純に説明された接客態度、右から左だった。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加