プロローグ

13/17
前へ
/92ページ
次へ
その後なんとか引き剥がして 4人でソファに座る。 話を聞くと俺に抱きついて来たのが、 3年の岬 虎之介先輩。 もう一人が2年の七瀬 翔弥先輩。 岬先輩は男+後輩好きで、 七瀬先輩は変態ということで あんな風に抱き合うことが よくあるのだそうだ。 説明が遅れたがこの学園では 同性愛に偏見が全くと言っていい程無い。 校訓に「偏見を持たず理解し合う」 というのがある事や、 初代校長が同性愛者で理解があったため 学園での同性愛が盛んになったという 背景もあったらしい。 今日だけでも手を繋ぐ同性同士を 2、3組見かけた気がする。 俺は男子校で無いのにこんな事ができるのは凄いことだと思う。 俺達を交互に見ながら七瀬先輩に質問される。 「で、二人はデキてたりすんのか?」 「へ、変な事言わないで下さいよ」 「な訳………………ありません」 ん、何だ、今の間は。 チラッと龍を見ると 少し不貞腐れたような表情をしている。 よほど俺と仲良しに 見られるのが嫌なのだろうか。 「先輩達はどうなんすか?」 普段他人に興味を持たない龍が 珍しく身を乗り出して聞いている。 「…俺らは、ただその…、」 「抱き合うのが好きなだけ」 二人とも回答に困ったようにしている。 「知ってるか、男同士で抱き合うと 性欲が刺激されるらしいぜ」 「どうでもいいです」
/92ページ

最初のコメントを投稿しよう!

126人が本棚に入れています
本棚に追加