青春の1ページって奴

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「……え、あれって……男が入っていいのか?」 キョロキョロしながら首を傾げる鏡哉。 「あれ、まさか鏡哉やったことねーのか?」 「……うん」 「お! じゃあ初体験! か、」 「ヤらしい言い方すんじゃねー!」 「ほら、行くぞ」 二人で鏡哉を白いボックスに押し込む。 室内は光で照らされて眩しい。 「結構、明るいんだな……」 初めての彼は興味深そうに観察していた。 「600円。一人200円ずつな」 「了解っ」 1人200円ずつ投入口にコインを入れる。 「なな、なんか緊張してきたぁ」 落ち着かなさそうに室内を見回している。 「大丈夫だって」 俺が肩を叩くと圭太が画面を操作し始めた。 「おすすめ……で、んーと……明るさはミディアムでいいか」 「よし、始まるぞ」 圭太がボタンを押し終えると 画面に自分たちが映る。 よく考えれば男3人でプリクラってのも かなりシュールなもんだ。 『初めはみんなで、ハイ、チーズ!』 言われた通りにピースをする。 「おい鏡哉、表情硬いぞー」 圭太が肘で突っつく。 「し、仕方ねーだろ!」 頑張って無理にニーと笑う鏡哉。なんか可愛い。 カシャッ 部屋全体が光で包まれる 『次は余所見して、ビックリ!』 「えぇ、どうすりゃいいんだよこんなのぉ!」 「いいから斜め上向いとけばいんだよ」 無理矢理顔を上げさせる。 カシャッ 『舌を出して、べー』 「こ、こぅっ!?」 カシャッ 『抱き着いてぎゅー!』 「え、えとこれは? ……うぉっ!」 両方から俺と圭太で鏡哉を挟み込む。 鏡哉は顔を真っ赤にする。 「ちょっ! ちょちょ!」 カシャッ 『最後はみんなで、ちゅー!』 「はっはぁ!? プリクラってこんなんなのか??」 流石にここまでリア充向けのプリクラは 初めてだ。が、面白い。 横を見れば圭太が既に頬に軽く口付けていた。 「ち、ちょっ、圭太っ!?」 よし、俺も…
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