青春の1ページって奴

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「……お、俺はいらねーぞ!! こんなの断じていらねーぞ!!」 写真を撮り終え、落書きコーナーで パパッと完成させると、 暫くして薄いシートが出てくる。 それを見た鏡哉は頬を真っ赤に して腕を組んでいるのだった。 「3人用なんだから貰えよ」 紙をよく見る。簡単に切り取れる ミシン目のような物が入っていた。 最近のプリクラはハサミいらずで 切り取れるようになっているようだ。 ビリっと3分割すると1枚ずつ配る。 「う……うぅ……」 シートをチラチラ見ながら 恥ずかしそうにしている鏡哉は 女子以上という程可愛かった。 こいつまさか女か 「これ、入学の思い出な」 そう言って圭太は1枚を生徒手帳の 最後のページに貼った。 「は、恥ずかしくないのかよ……」 恐る恐るシートをポケットに しまった鏡哉は目を丸くして聞いてくる。 「あくまで遊びだろーが」 貼り終えると呆れた顔をしながら圭太は 鏡哉の頭をポンポンと叩いた。
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