早々に文化祭

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「穂坂くん、放課後 資料室に来て下さい」 そんな風に喋っていると 近くにいた鏡哉に、 先ほど学級委員になった 田臥が声をかけた。 「ん、なんか色々決めること ある感じっすかね」 鏡哉はさっきの赤面は 忘れたようで普通に 彼女と話していた。 下手すれば天然だから 忘れているのかもしれない。 「そうなんですよ。 待ってますね」 田臥はサラッと言うと ニコッと笑って教室から出て行った。 「お、鏡哉、女子と二人きり だし、チャンスだな!」 横にいる圭太がニヤニヤと 変な笑みを浮かべながら 鏡哉の脇腹を突っつく。 「おう! 頑張ってパンツ見てくる!」 満面の笑みを浮かべて言う 鏡哉だが逆にその表情で 言うとジョークも恐ろしく感じる。 「ぶっ込む時はゴム忘れんなよ」 「それは無いわい!」 鏡哉が圭太の頭にチョップをする。 何か、まさに夫婦漫才みたいだ。 夫夫、か? ってそんな事はどうでも良い。 にしても圭太はやっぱり 下ネタが好きなもんだ。 俺はどちらかといえばムッツリで… って俺は何を言ってる! 「へー、蓮太郎はムッツリなのか」 鏡哉が好奇心旺盛な目をして 此方へ近付いてくる。 あぁ……最悪な事にまた 声に出して言ってしまったらしい。 「っ……聞こえなかったことに 「できません」 へらへらと笑いながら頬を突かれる。 何だか鏡哉に馬鹿にされると 無性に誰かを殴りたくなるのは 気のせいだろうか。 キーンコーン、とチャイムが鳴り、 授業が始まった。
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