早々に文化祭

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「はぁ、終わったぁ……」 6時限目が終わり、伸びをして息を吐く。 荘に帰ってゆっくり出来ることを 思うと、とても充実感がある というか、心が和らぐ。 帰る支度をして圭太と席を立ち 鏡哉にまた明日と挨拶をする。 「おう……、バイバイ」 いつもなら一生着いて行く、 なんて愉快に答える彼だが、 今日は何処か疲れたような 様子で、普通の返事が返ってきた。 普段があれだけ明るい分、 とても朴念仁に見える。 その目は、どちらかというと、 疲れている訳ではなく、 人との会話は上の空で、 それどころではないというか、 他に心配事を抱えて 怯えているような、そんな感じがした。 「鏡哉、お前何か悩m 「大丈夫だいじょーぶ! 俺はいつでも元気だぜっ!」 問いかけが終わる前に いつものような明るい返事が返ってきた。 恐らく俺の考え過ぎだろう。 ああ、そういえば俺もまだ 猫の主人を見つけなければ ならなかった。
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