仮面の女王

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まあ有能な女子たちは仕事が 早く、俺たちがそんなやりとりを している間に内装を完成させてしまった。 「おお、すげぇ、本物の店みたい!」 鏡哉がくるくると回りながら言う。 今の彼はまるでペンギンのようだ。 元気で犬っぽいところもあれば 天然でペンギンっぽいとこもある。 根のしっかりした素のに彼は ライオンや虎みたいに 表面から伝わる強さじゃなく、 鯨や象みたいに逞しい強さがある。 「へー、中々良いの作んじゃん」 圭太は反対にライオンの強さ、 見るからに頼り甲斐があって、 少し口が悪いが根は真面目で 優しい性格をしている。 昔はどちらかというと 真面目なのは今と変わりないが ふざけてばかりの元気な少年だった。 「何、こことかどうにか何ないの」 そして横にいる同じ顔はまさに狼。 自分から他人を遠ざけ、 何を言われようが動じないし、 反対に人が動じる事を平気で言う。 双子なのに恥ずかしいが一番 本音が分からない。 ただ、決してメンタルが 強い訳ではないと思っている。 「では準備もできたし、 自分の持ち場に着いてください!」 この高校の文化祭は、 午前、昼時間、午後の前半、後半 の4つに分かれている。 基本的に半分仕事、半分自由 という事になっている。 午前、昼休みは俺と龍がペアで 接客をしなければならない。 鏡哉は午後に全て仕事を入れており、 午前と昼時間が休み、 圭太は午前と午後の後半の 最初と最後に休みを入れていたので 2人でどこかへ遊びに行った。
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