仮面の女王

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「じゃあ手とか繋いでみて!」 「あ、それなら私もキュンってするかも! おい、マジかよ。 この女子たち自体もほぼ腐女子って レベルじゃねーか……。 「えぇ、マジで言ってんすか」 笑顔のまま龍が言う。 勿論の事、龍がしたいことは 気持ち良い事だから、 手を繋ぐというのは したいことの対象外である。 「お願い!やってみて!」 「お願いします!」 結果的に顔の良い美人お二人さんの お願いを断ることも出来ず、 俺と龍は手を握った。 若干爪を立て合いながら! 「きゃぁぁ!いい!これいい!」 「目醒める!もっと強く握って!」 この清らかな(はずの)乙女達が どうにかなってしまう前に やめるべきかと思ったが、 龍が思い切り強く手を握って来た。 コイツ、こんな握力を 隠し持っていたのか、素直に痛い。 「絆で固く結ばれてる!」 「わぁぁぁぁ!!」 いかん、もう手遅れだ、と感じながらも 俺たちはお互いの骨を砕くかのような 勢いで横目に睨み合いながら 手を握り合うのだった。
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