仮面の女王

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そんなこんなで俺は双子での 接客をなんとか終えて、休み時間に入った。 龍はめんどい、と言って 堂々とお客様用の畳に寝込んでしまった。 ということで俺は鏡哉と二人で 行動することになった。 「蓮ー!」 俺が制服に着替えてから 教室から出ると、いきなり抱き付いて来た。 「おいッ!?離れろ!」 「むふふー、あったけー」 「俺は暑いよ!」 「じゃあ行こうか」 そういって俺の手を握ってくる。 これ、他から見れば要するに…… しかしこの学園なら確か問題ないのか。 だからと言ってこの状況はおかしい。 「……鏡哉?手「早く行こう!」 どうやら少し様子がおかしい。 それが何かを察する事は出来ないので とりあえず引かれるがままに付いていった。 目の前に現れたのはお化け屋敷。 「んじゃ入るか」 先ほどから振り回されてばかりだが 一応心臓に悪いかの確認を……だな。 「あ、もしかして怖い?」 「こ、怖くねーし!入れるし! 早く行こうぜ!!!!」 と強がったのは良いものの。 入ってみると思った以上に真っ暗だ。 曲がり角が奥に見えるが 明らかに何か出てくるの分かる。 ……素直に怖い。 「はは、やっぱ怖いんだな」 悔しいが鏡哉は腕の中に俺を隠してくれた。 俺が女なら惚れてたなぁ。 こう、普段とのギャップというか、 頼り無さそうで頼り甲斐がある。
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