プロローグ

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「圭太……?」 「蓮太郎……?」 黒い瞳同士が結び付き合う。 その先にはかつての親友が居た。 確かにそこに。 「蓮……太郎!」 相手が明るい顔をして駆け寄って来る。 「圭太、会いたかった!」 「俺も!」 よくある感動の再会のようなシーンに思わずお互い抱き合う。 「お! 龍もいるじゃん!」 「話し掛けんな屑」 言い忘れていたが龍は圭太が嫌いだ。 ***** 小学校卒業の時。 俺と圭太は毎日のように遊んでた。 二人で馬鹿して、花火見に行って、プール行って、ゲーセンでブラブラして、エロ本見たりもしたっけ。 用事がなければどちらかの家に泊まっているくらいの仲で本当にお互いかけがえの無い人だった。 龍はどっちかと言うと一匹狼タイプだったが、それでも一緒に遊んだりもした。 しかし、月並みな話だが圭太の家族は転勤で引っ越すことになった。 これまで圭太と俺の関係を考えて、必死に転勤を防いで来たらしいが、今回はどうしようも無いらしく、また卒業で区切りがいいとしてそうなってしまった。 俺と圭太は二人で家出した。 手を繋いで遠い街まで行った。 もう帰らないと決めていた。 はず、だったのに… 俺達は突然怖くなって帰ってしまった。そして圭太はそのまま行ってしまった。俺は中学に入って暫くはずっと元気が無く、病人のようだったらしい。 その時から龍の圭太嫌いが始まった。圭太が悪い事をした訳では無いのだが、 彼は子供なりに言った。 「こんだけ依存させといていきなり蓮を捨てるとか、意味わかんねぇよ。俺、ぜってー許さねー」 って。
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