仮面の女王

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「ありがとな……、重いのに」 「気にすんな」 「じゃ、俺は大丈夫だからお前は仕事n 「アホ、こんな危なっかしい奴一人 残して行けっかよ」 この状態で放っておくのは流石に 気が引ける。かといって先生に 報告するのも鏡哉は望まないだろう。 それなら俺が付き添ってやるまでだ。 「いや、マジで俺は大丈夫……」 「いいから、お前は寝てろ」 鏡哉はまだ何か言おうとしている ように見えたが、これ以上言っても 意味がないと察してくれたのだろう、 素直に目を閉じた。 「……」 「……」 途端に部屋の中が静まり返る。 息の音さえ気になるほどに。 「なぁ、鏡哉、」 「……ん」 「…………何が……あったんだ」 ゴクリを唾を飲みながら言った。 明らかに様子が変なのだ、今日の彼は。 「………………」 「ゴメン、言いにくいよな……」 「いや、隠し事はあんましたくない」 覚悟を決めたように言うと彼は俺が 座っている方に体を寝たまま向け、 突然俺をベッド寝かせた。 …近い
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