仮面の女王

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ーーーーーーーーーーーー 足が……ガクガクして、上手く立てない。 これが初めての後の感覚なのか。 薬の影響とはいえ、まさか襲われるとは 予想をしていなかったので かなり色々と辛い。 そして一番心配なのは鏡哉のことだから かなり罪悪感を背負っているだろう という問題である。 正直抵抗すらしなかった俺にも 責任はあるし実際どちらも悪くない。 悪いのは田臥だ。 田臥を殴り込みに行きたいくらいだが女だ。 鏡哉や俺の立場的に言う事も出来ないし クラス委員なだけあって人望も厚い。 恐らく簡単に裏の顔を信じてもらうことは 出来ないのだろう。 時計を見る。午後1時半。 もう俺の仕事の時間だった。 多分鏡哉が体調が悪いから 保健室で寝かせているなどと 言ってくれているのだろう。 結局俺は鏡哉を全く守れていない。 少し変だが理性を失ったアイツに 俺が襲われない事こそが アイツを守る事だったのに、 自分も一緒に負けてしまった。 俺自身、ハッキリ言って頭の整理が できていない。穴の中にもまだ アイツの液が残っている。 少し足を動かせばクチャクチャと 音が鳴り、気付かれるかもしれない。 でも、少しそれを気持ち良いと 感じてしまっている。 それに鏡哉に出されたことを極端に 嫌と思っていないというか、 この変な気持ちは一体何なんだろう。
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