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「……えっ?」
よく考えれば圭太は龍に嫌われている事を知らない。
「あ、気にすんな。こいつ最近誰に対してもこうだから」
素早くフォローを入れると肩をポンポンと叩く。
「んなことより元気だったか??」
「おう、お陰様! そっちも元気そうだな」
「ああ、お前がいなくなって直ぐは終わってたけどな」
「ああそれ俺も」
話が弾んで楽しく笑う俺たちを横目に龍の視線が痛い、痛過ぎる。
「あ、あの、龍さん……?」
落ち着け、と頭をコツコツと叩く。
「蓮嫌い」
「俺も嫌い」
「大っ嫌い」
「俺も大っ嫌い」
慣れたように言い合う。
何故か分からないが、龍には何と返事すれば良いか、本能的に分かると言うか、パッと口から出てくる。
「おいおい、仲良くしろよ」
「何でこのエロ犬と?」
「そういえば俺のエロは圭太から貰ったっけ」
「はぁ? お前のエロを俺が貰ったんだろうが」
「いや、無い無い」
下ネタになるとテンションが上がるのが圭太の特性である。
今もこうして言われながら嬉しそうにニヤけている。
やはりコイツのエロには勝てない。
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