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「なあ山下! ポッキー食う!?」
「ん? ああ、ありがとう」
新幹線で陸の隣に座ってるのは今回の旅行で同じ班になったクラスメイトの小林だ。あだ名はバッシー。まあ、陸は一度もそのあだ名で呼んだことはない。小林がくれたのは極細チョコ味のポッキーだった。
(……いちご味のポッキーがよかった)
なんて心の中でケチをつけながら、ポッキーを受け取る。
「しっかしさあ! 俺たちもツイてないよな~去年の先輩が不祥事起こしたから今年は近場の東京って、俺達後輩は関係ないっつーの!」
「小林は行きたかったのか?沖縄」
ポッキーを食べながら陸は小林に聞く。
去年の先輩が旅行先で他校生と盛大にモメて問題を起こしてしまったため、後輩の陸達の学年は行く筈だった沖縄へは行けなくなってしまったのだ。
確かに問題を起こした罰が後輩へくるのはおかしな話である。
「そりゃ行きたかったぜ。海で華麗に泳いで女子にかっこいいとこ見せてさあ!」
「なるほどな」
「まあ俺カナヅチなんだけどよ」
「……」
「 山下は沖縄行きたくねぇの?」
「俺は……どこでもいい」
「なんだそれ! お前めちゃくちゃいいヤツ!」
普通はつまんないヤツだと思われるだろう回答をしたにも関わらず、こう返してくる小林は少し変わっている気がする、と陸は思う。
「俺達の学年は問題なんか起こさねぇのにさー……ん?いや待てよ。高橋なら起こしかねない気がする……お前どう思う?」
「俺は高橋は問題起こさない気がする」
「まじかよ!! あいついつも怒ってるような顔してるから怖いんだよな」
高橋のあの笑みは、やはり陸だけが知っているのだった。
「夜はやっぱ枕投げだよな! 俺さ、中学生の頃枕投げして旅館の障子突き破って先生にすっげー怒られた!! あははっ!」
「そ、そうか……」
このとき陸は小林が1番問題を起こすんじゃないかと心配した。
「自由行動はどこ行きたい?」
「俺は……特には」
「んだよそれ! そんなんじゃ楽しくないだろ! 俺と一緒に歌舞伎町行こうぜ歌舞伎町! 眠らない街らしいぜ!」
「昼間に行く意味あるのか……?」
「だから! 昼寝もしねーんだから眠らない街なんだろ!」
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