2 花より団子は伝統

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エネは着物を着ている。 それならいつも通りだが、今日は白地に桜が描かれ、桃色のストールをかけた姿になっており、髪はかんざしで纏めている。 更に目元に薄く紅を入れ、まさに『お雛様』スタイルだった。 ちなみに『これ』をやった主犯は橙空である。 「ま、こうなるよね普通に考えればさ。」 「なら止めてやれよ…」 日傘の下でお茶を飲む悠々とにちょこ饅頭が突っ込みを入れる。 「ん、まぁ元々は無意味だと思ってたけどあれは人形の衣装の参考になりそうだし。」 「エネは大概弄られ役なのか?」 「多分ね。ばれたら般若が見れそうだけど。」 「これでいいの、以前ならあんな言葉も無かっただろうし、心は取り戻せるんだよ。」 主犯の絵師は満足そうに、その様子を見ていた。
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