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娼館に居た頃の後遺症、ってヤツかな?
僕の身体は発育不良もいいとこで、おまけに軟禁されてたせいで肌も白い。
加齢臭漂う脂ぎったおっさんたちはそんな僕が好みで、通いつめていたんだっけな。
思い出したくもない気持ち悪さだ…橙空さん、それと同レベのことしてるんだけどなぁ。
「うわ、ぴったり。」
着てみたメイド服だけど、やっぱり採寸したみたいにぴったりのサイズ。
寝てる間に測ってるんじゃないだろうか。
「凄く可愛いじゃない!さっすが私よね~」
「んー僕、もっとこう着物みたいなのが好きなんだけどなぁ。」
何故か、かなりはしゃいでる橙空さんに言う。
好き、というか何か慣れていて落ち着くというか、まぁそんな感じで僕は好んで着物を着てる。
袖口がぶかぶかだから、暗器を隠し持つのにも便利だしね。
「そんなこと無いよ!!とてもよく似合うって!!」
「………」
本来ならば否定するべき言葉なのだろう。
でも、何でか否定の言葉は出てこなかった。
嫌な気がしなかったからだ。
女装はあまり好きじゃない、職業柄慣れてはいるけど、だからこそそれを求めてた連中への嫌悪感は凄くある。
でも、橙空さんはそいつらとはどこか違う気がしている。
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