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「実は、ガラクタじゃ無いんじゃないですか?」
「………」
私の一手に、黒木さんが黙り込んでいた。
けっこう長い沈黙。
私は、そんなに嫌いじゃない。
人が悩む時は、簡単に答えなんて出ないのだから。
「最近は…… 女の子ばっかり撮ってる……」
オガやんが、黒木さんは、女性雑誌○○の専属カメラマンをやってると言っていたのをおぼろ気に思い出した。
「楽しくないんですか?」
「う~ん……」
「………」
「何か別物なんだよね…… 生きてるから」
「?」
電話の向こうで悩み考察中の黒木さん。
さすがに心中を察する事が出来ず、私は耳を清まして次に来る言葉を待ってみた。
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