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この日は、とても天気が良かった。
ぽかぽかの太陽の光が気持ちよくて…
だから、
あたしは空港の飛行機が飛び立つのが見える位置にあるベンチで、少し寝てしまっていた。
何時間寝ていたのだろうか、
ぽた、
冷たい雫が顔に落ちて、あたしは目を冷ました。
ぽた、
ぽた、
雫の落ちてくる速度は段々に早くなって。
洋服が少し湿ってきた頃にようやく、
「雨…」
それが雨なのだと気がついた。
「どーしよ」
雨は激しさを増すばかりだった。
既にもう服はびしょびしょだ。
もういっそ、この雨が気持ちよく感じて、あたしはそのままベンチに座って少し遠くに見える飛行機を眺めていた。
そんなときだった、
冷たい雫が、あたしの体に、当たらなくなった。
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