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「あ、の…傘…」
もう一度、彼に話しかけると、
一気に彼の瞳には色が戻ったように柔らかくなって。
優しくほほえんだ。
「こんなとこで、何してるの。こんな、びしょ濡れで…」
少し、目を細めて、困ったように笑って、彼は言う。
あたしは、瞬間に、思った。
この人なら、こんな風に笑う人なら。
あたしを、このどうしようもない、つらい場所から、助けてくれるんじゃないかって。
わかんないけど。
ただの予感だけど、そんな風に感じたんだ。
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