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「春のいぶき…………」
桜の舞い散る優しい風
俺の体を、一瞬………
………包み通り過ぎる
うっすらと額から流れ
出る汗が心地好く……
前を向いて大地を……
…………踏み締め進む
『俺は生きている…』
やっと……やっと……
…ここまで……来た!
生きている事に………
……………感謝したい
自然の気を感じながら
僅かに麻痺が残る右足
を引きずり、いつもの
公園を通る……………
足元には蓮華が咲き乱
れ、それを包み隠す様
にクローバーが風と共
になびいている………
散歩コースとなってい
る道には、ランニング
する人や犬を連れて歩
く人。顔なじみの人に
声を掛けられ挨拶して
過ぎ去る………………
病院に行く為の………
………リハビリコース
ゆっくり………………
……………ゆっくりと
主治医の奧先生には〃
無理するなって言われ
るけど…………………
どこまで俺に時間が、
残されているのか……
…………解らないから
入院生活が子供の時か
ら永く、多くの………
『生と死』を見て来た
俺自身も味わって来た
どん底に落ち深い闇を
……………さ迷い続け
『生きて行く為の……
………………意味!!』
『勉強する為の意味』
閉ざされた、白い空間
から答えなど出ず……
…………苦しみの日々
でも……………………
………………………今
たくや君が……………
…………残してくれた
メッセージを受け止め
限りある命に…………
……………希望を持ち
…精一杯………………
……生きて行こうと…
俺、かずま……………
……18歳になりました
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