第1章

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「でさー」 足をぷらぷらさせながら僕の方を見る。キッチンを指さしながら。 「お腹すいた、なんか作って」 これが初対面の会話か?一人暮らし一ヶ月弱の人間だぞ。 「何がいいの」 「一番君が好きなの作ってよ」 何気に一番困る返答だった。 「カレーしか作れねぇけど作ってやる」 「やったね!」 「じゃあ、材料ないからさ」 「うん?」 ちなみに今は午前7時頃。当然、家にカレーの材料などないわけで、近くのスーパーについてくる約束で、朝から僕の料理コーナーが始まろうとしていた。 今僕は、不法侵入された女の子と、彼女のためにカレーの材料を買いにいっている。世にも奇妙な物語そのものだ。 なんで僕怒らないんだろう、ちょっと、この状況を楽しんでいるのかも。 この子、なんか可愛いんだよ。あの態度、普通の人ならむかつくんだけど、可愛らしさを感じてしまったんだ。
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