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買い物がてら、彼女と通りを歩いていると声をかけられた。
「あっれー、とんちゃん?」
は?
俺は首をかしげる。
こんな女、みたことない。
不細工でもないが、かわいいとも言いがたい、ショートカットの女。
色素が薄いらしい茶色の目でこちらを見てくる。
「知ってる人?」
サラがあまりにも親しげな態度にうかがわしげな目でみてくる。
「知らない...」
俺はこう答えるしかなかった。
その間にも茶色の目の女はこちらをじろじろみてくる。
「ふーん、へー。なるほど。」
気味の悪いことを呟きながら、こちらへ来る。
「あー。ごめん。やっぱ、人違いだわ!」
謝っているわりには元気はつらつといった声でそう言い放つと、どこかえ行ってしまった。
「なんだそれ。変な女...」
彼女は疑いの目から不安の目に変わっていた。
「か、買い物しようか。」
彼女なりに気をつかったようだ。
ごめん。と心のなかで謝りつつ誰だあの女...と思った。
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