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翌日。
今日は大学の講義は午後からだから、午前中はバイトに入った。
バイト先は数週間前から新しく始めたオープンカフェだ。
木質な作りとガーデニングが綺麗で、客入りもいい。
「「いらっしゃいませ!」」
カランカランと扉に設置されたベルが鳴って、店員全員が扉に向かって声を掛ける。
「……ぁ」
咄嗟に口から声が漏れる。
柑橘系の香りと、ストイックな雰囲気。
「永田、さん…」
間違いない。
というか見間違えるなんてあり得ない。
淡い青色のワイシャツに、細身のスーツを着ている。
永田さんも俺に気づいたのか、こっちを見て、ほんの少しだけ驚いたように目を開いたあと、優しく微笑んだ。
「ここの店員だったのか…」
「はいっ!あ、席、こっちにどうぞ!」
客ともに店員の目線も引くほどの整った容姿。
「俺ずっと奥の方で食器磨きしてたから…ホールからは見えなかったんですよ」
「そうか…。頑張るのはいいが、前のように倒れるまでやってはいけないようにな」
「はいっ」
前みたいに面倒みるのはゴメン、って事かな…?
そりゃそうだ。
嬉しかったのも、楽しんだのも俺だけだろうし。
永田さんにだけは迷惑かけないようにしないと…。
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