第1章

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きゅう、っと気合をいる。 「永田さん、この間は本当にありがとうございました」 改めてお礼を言うと、永田さんは困ったように笑った。 「もうそれはいい。俺も久しぶりに人と飯が食べられたのは楽しかったしな」 ブラックのコーヒーをストイックに飲みながら笑う永田さん。 眼前で座っていて、俺より目線は低いはずなのに、ひどく見上げている気分になる。 「ここのバイトはいつやってるんだ?」 「え、と…基本的には土日以外の昼から夜までですね。大学の講義がある時は時間数が減りますけど」 そうか、と目線を外しながらコーヒーをすする。 ただコーヒー飲んでるだけなのに絵になるよな…。 ぽけぇー、っと見惚れていたら店長に働けと怒られた…。 「すみません、永田さん…。ゆっくりしていってください!」 見惚れてる場合じゃないぃー!! 何してんだ俺! 絶対変なやつだと思われた!! うわぁー!恥ずかしぃぃー!!!
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