第1章

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------------------- ------------ ------- --- 今度は意識がハッキリしている中、目が覚める。 鼻を擽る柑橘系の香りで、さっきの事が夢ではない事がすぐにわかった。 「ここ…は…」 体を起こして周りを見ると、白黒でまとめられた部屋が広がっていた。 参列された本と、ガラス製のテーブル。 そしてソファでうたた寝している知らない男性。 サラサラな黒髪と、細くて長い体。 長い睫毛と整った唇。 俺の知り合いにはいない人だ。 というか何故ここで寝ているんだ? 大学の講義の後、バイトしてから家に帰ろうとして… 「あれ…帰ろうとして、どうしたんだっけ…」 モヤモヤと記憶が途切れてハッキリとしない。 "痛いとことかあるか?" "軽い貧血のようだと医者も言っていた" 貧血?え?どういう事?
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