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今度は意識がハッキリしている中、目が覚める。
鼻を擽る柑橘系の香りで、さっきの事が夢ではない事がすぐにわかった。
「ここ…は…」
体を起こして周りを見ると、白黒でまとめられた部屋が広がっていた。
参列された本と、ガラス製のテーブル。
そしてソファでうたた寝している知らない男性。
サラサラな黒髪と、細くて長い体。
長い睫毛と整った唇。
俺の知り合いにはいない人だ。
というか何故ここで寝ているんだ?
大学の講義の後、バイトしてから家に帰ろうとして…
「あれ…帰ろうとして、どうしたんだっけ…」
モヤモヤと記憶が途切れてハッキリとしない。
"痛いとことかあるか?"
"軽い貧血のようだと医者も言っていた"
貧血?え?どういう事?
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