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翌日。
カーテンの隙間から漏れる太陽の明かりで目が覚める。
眩しくて寝返りをうつと、柑橘系の香りが肺に広がった。
あぁ、そうだ。
永田さん…ナガタサン?
「ああぁ!!」
倒れてご飯まで奢ってもらった上、夜遅いと泊めてもらったんだ。
始発…は?今何時?
壁時計を見ると、10時と針がさしていた。
「どんだけ寝こけたんだ俺!?」
ガバッと起き上がると、トントントン…と何かを切る音が聞こえる。
「起きたのか?千里君」
キッチンからひょっこりと顔を出す永田さんは、胸の辺りにパンダのアップリケのついたエプロンを着ていた。
「すすすすみません!しはっ始発!」
「今日は有休をとった。気にしなくていいさ。なかなか面白い寝言も聞けたしな」
クスクスと笑うと、永田さんはキッチンへ戻って行った。
有休まで取らせてしまった…。
「ねご、と…?」
俺って寝言いう人だったんだ…。
面白いって何だろう…?
「俺も8時くらいに目が覚めたんだ。朝昼と兼用になるが、食べるといい」
スクランブルエッグと、小皿にのったサラダ。
ほどよく焼かれたトーストと、カップに入った牛乳がガラス製のテーブルに置かれた。
「あ、ありがとうございます」
「家にあった物しかないからあまりいい物ではないがな」
「いえ!めちゃくちゃ美味そうっ!」
たぶんぱぁっと顔が明るくなる。
人の手料理を食べるのはスゴく久しぶりだ。
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