第一章 魔人(症)/1

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「……おお、あった。いざ往かん」  来客用の受付窓口を運転手のお姉さんに任せたまま通り過ぎ、視界に入った男子トイレへと直行する。洗面場に着くなり水道の蛇口を大きく捻り、じゃぶじゃぶと水を流す。  そこに上手く掻き消される厭な音声。おえ~。  その白い楽園に帰ってきた彼が最初に行った事は、外の世界で摂取したジャンクフードを体外へ吐き出すという生理行為なのだった。
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