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引き戸になっているドアに三センチほどの隙間が出来ていて、そこから声が漏れて来ていた。
その場に立ちつくしたまま、少しだけ耳を澄ました。
力無い女の子の声がする。
「光輝……あんた、どうするつもり? 三年の先輩たち、かなり頭に来ている状態だったよ。監督も授業が終わり次第、駆けつけるって言ってたけど、本当にどうするのよ」
さっき、学校にいたマネージャーの声だった。
あの後、直ぐにここへ駆けつけたんだ。
「仕方ないだろ?こうなっちまったんだし。そりゃあ、先輩たちには申し訳ないと思ってるけど……」
落ち込んだ気味のやけっぱちのような青木クンの声がした。
「腰の骨に……ヒビって完治するのにどれくらい時間が掛るものなの?」
腰の骨にヒビ……
その言葉に固唾を飲んだ。
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