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「あ……あんた。光輝の……」
涙ぐんでいたその女子生徒が、そう言ってわたしの顔を見るなりもの凄い血相となって
「この、厄病神!」
そう怒鳴りつけて来た。
「高井沙都ってあんたよね? この前、光輝の彼女になったばかりの女でしょ?」
目を見開いて、余裕の無い表情の彼女から目を離せなかった。
開かれた目は明らかにわたしに敵意を抱いていた。
「光輝、せっかく県大会の控え投手に選ばれたって喜んでいたのに……光輝のお母さんに聞いたんだから、光輝はあんたを庇って怪我したって。 なに平気な顔して登校してきてんのよ!あんたのせいで、光輝は試合に出られないんだよ!」
ドン!
そう捲し立てて、わたしの胸を思い切り突き飛ばしてきた。
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