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顔を上げると、ユニフォーム姿の達樹が心配そうな顔で立っていた。
「達樹……スパイクのまま校舎内に入っちゃダメじゃない」
「沙都、あの野球部のマネージャーに突き飛ばされていただろ?外から見ていて、それで慌てて、ここへ走って来たんだ。お前、大丈夫か?」
そう言って、手を差し伸べてくれた。
「うん……ちょっと怖かったけど」
達樹の手につかまり、立ち上がって、スカートとベストについた埃を叩いた。
「さっき、学校に来るなり聞いたんだけど、昨日、青木が事故にあって、怪我したんだってな」
達樹の言葉に茫然となった。
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