第1章

7/32
前へ
/32ページ
次へ
顔を上げると、ユニフォーム姿の達樹が心配そうな顔で立っていた。 「達樹……スパイクのまま校舎内に入っちゃダメじゃない」 「沙都、あの野球部のマネージャーに突き飛ばされていただろ?外から見ていて、それで慌てて、ここへ走って来たんだ。お前、大丈夫か?」 そう言って、手を差し伸べてくれた。 「うん……ちょっと怖かったけど」 達樹の手につかまり、立ち上がって、スカートとベストについた埃を叩いた。 「さっき、学校に来るなり聞いたんだけど、昨日、青木が事故にあって、怪我したんだってな」 達樹の言葉に茫然となった。
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

20人が本棚に入れています
本棚に追加