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「言ってない……青木クンに断ろうとした矢先だったの。でも……涼には嘘付いた。ちゃんと断ったって直ぐにばれる嘘付いた」
「ハァー」
達樹が大きくため息を付いてわたしの肩を二度叩いて来た。
「まあ、涼のことは気にするな。お前のそんな嘘ぐらいで、臍を曲げるようなヤツじゃない。そうじゃなきゃ、こんなに何年も沙都に片思い出来るわけないだろ? 問題は青木だろ?」
涼のことは気にするな……
達樹のその言葉はとても有り難いものだった。
声にならない声を上げて、大きく頷いた。
そうだ。
涼は……こんなことで、わたしを嫌いにならない。
ずっと、一緒にいたんだから、こんなことで涼はわたしを嫌いにならないけど、青木クンをこんな状態で突き離せない。
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