ご褒美はパンケーキ

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今年の夏のインターハイに向けて、バスケ部の人達は忙しそうにしていた。 今週から地区予選が始まるらしい。 昨日京ちゃんから聞いていた。 だから朝練のために早めに行かないといけないって。 だからって……。 「私まで早く来る必要性はなかったような……」 誰もいない教室で一人椅子に座ってみんなが来るのを待つ。 京ちゃんに一緒に体育館に誘われたけど、言ってみれば部外者の私が行っても迷惑になるだけだから断った。 なんとなくグラウンドを見ればサッカー部と野球部と陸上部が朝練をしていた。 その中には御柱くん。 フェンスに女の子がたくさんいる。 サッカー部の人達も人気だって聞いたことがある。 そういえば、御柱くんが教室に来たとき女の子達が騒いでた。 女の子達は練習している人達を見てキャーキャー言ってるけど、それを無視しながら練習している人達って……。 なんだか可哀想だな……。 みんな頑張ってるのに周りで騒いだら集中できないんじゃないかな。 そんなことを考えていると御柱くんが女の子達を見た。 それから嫌そうに顔をゆがめた。 そんな御柱くんをなだめながら歩いて行く男の子。 あの人、この間御柱くんと一緒にいた人だ。 それにしてもどうして御柱くんは女の子達をあんなふうに見るんだろう? 不思議に思いながらも私はそのままサッカー部の練習を見ていた。 気がつけばいつの間にか教室に人が来ていたみたいで、朝練の時間が終わった。 そのまま外から目が離せなくてずっと外を見ていると着替え終わったサッカー部の人達が歩いてくるのが見えた。 すると御柱くんの友達が私に気がついて手を振ってきた。 え!? 今までされたことがない反応に戸惑う。 御柱くんも私を見て手を振ってくれた。 どうしよう……。 困ったけど無視するのも悪い気がして私は小さく手を振り返した。 ・
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