期末テスト

2/14
225人が本棚に入れています
本棚に追加
/145ページ
バスケ部がインターハイ出場を決めたあとの学校は凄かった。 皆が京ちゃんに対してねぎらいの言葉をかけていく。 そのどれもにめんどくさそうに返事をする京ちゃん。 「仲良くもないのに話しかけんなよ」 そう文句を言いながら溜息をつく。 ちょっと可哀想かも……。 「あの…、京ちゃん」 「何?」 「無視するのは良くない事かもしれないけど、しんどいならいいんじゃないかな…」 そう言うと意外だったのか京ちゃんが目を見開いた。 「ビックリした。七海からそんな提案されるとは思わなかった」 「わ、私だって出来れば無視しない方がいいとは思うけど、それで京ちゃんがしんどいなら無理しなくてもいいと思って…」 そう言って俯くと京ちゃんが笑顔で私の頭に手を置いた。 「ありがとな、七海」 真っ赤になって固まる。 京ちゃんの行動はいつも私には心臓に悪い。 そんなことを考えていると後ろから抱きつかれた。 「おはよう!七海!」 「っ!!梅歌ちゃん!」 振り返ると梅歌ちゃんと工藤くんがいた。 工藤くんはニコニコしながら私の手を取った。 「おはよう、『七海』。もう一人の俺の彼女」 「!?」 何を言われたか分からなくて一瞬息が出来なくなる。 理解した瞬間顔が熱くなる。 「な、何……っ!?」 「決勝来てくれなかったでしょ?寂しかったよ」 「工藤くん!?」 困っていると梅歌ちゃんが工藤くんの頭を叩いた。 「冗談はそこまで。七海困ってるから」 工藤くんはクスクス笑いながら私から手を離した。 「相変わらずいい反応するよね、加藤って」 「!?」 「慶人の事は放っておいていいからね、七海。それより聞いたよ。応援来てくれた日に怪我したって。大丈夫?」 「だ、大丈夫です!ご心配おかけして申し訳ございません!!」 頭を下げると梅歌ちゃんが笑いながら私の頭を上げた。 ・
/145ページ

最初のコメントを投稿しよう!